本文へ移動

ケアマネのつぶやき

ケアマネのつぶやき

RSS(別ウィンドウで開きます) 

介護予防支援計画の作成が居宅介護支援事業所にも

2022-12-03
注目重要NEW
介護予防支援計画の作成が居宅介護支援事業所にも

 要支援1・2の利用者に関する支援計画の作成(介護予防支援)は今までは地域包括支援センターに限定されていた。厚労省は、居宅介護支援事業所なども指定対象として認めていくことを決めたようである。11月24日に開催した社会保障審議会・介護保険部会で、前回に続いてこの問題を論点として提示。ケアマネジメントの質を担保する観点から、包括に“一定の関与”を求めていく構想もあわせて説明し、大筋で了承を得たと報道されている。このまま進むと2024年度の制度改正での変わることとなる。今でも、介護予防支援を担っている居宅介護支援事業所は既にあるが、それはあくまで地域包括からの委託という形となっている。

今回のこうした変更は、地域包括支援センターのみという指定対象の制限を緩和することで、包括が居宅に任せやすい環境を作りたい考えだ。背景には、高齢化などで包括に期待される役割が非常に多くなっていることがある。介護予防支援の負担を減らせれば、総合相談や権利擁護、ケアマネジメント支援など他の業務に力を注いでもらえるとして、自治体からも指定対象の拡大を求める声があがっていたと言われている。平たく言えば、地域包括支援センターは忙しいからこの際に介護予防支援は居宅介護支援事業所にやってもらおうということである。

もともと、介護保険が始まったときは、認定を受けたすべての人を対象にして居宅介護支援事業所のケアマネによりケアマネジメントは実施されていた。ところが2006(平成18)年4月、「予防重視型システムへの転換」ということで要介護者への介護給付と分けて、要支援者のケアマネジメントを、地域包括支援センターで介護予防支援という名で実施することとなったのである。このように介護給付と介護予防にケアマネジメントは分断されていたのである。この点について、かって「つぶやき」のなかで「二つのケアマネジメント」というテーマでふれたので、ここではその一部を再掲しておく。

 

「高齢者は、今が要支援状態にあり、介護予防という支援が必要な段階にあったとしても、その先にあるのは、加齢に伴う心身機能の低下した状態、つまり要介護状態に移行していかざるを得ないというのは自然の摂理である。したがって継続したケアマネジメントという視点から考えると、要介護者に対する介護給付のケアマネジメントと要支援者に対する介護予防ケアマネジメントの分断は大きな問題であるといえる。

 今日、介護予防ケアマネジメントを担っているのは地域包括支援センターである。しかし地域包括支援センターは元々の業務に加え認知症対応や「地域共生社会」等の新しい取り組みを求められ膨大な業務を抱えており、求められるものからすると十分機能しているとは言えない状態にある。こうした面からも、介護予防ケアマネジメントを地域包括支援センターの業務から切り離し、もう一度居宅介護支援事業所における高齢者のケアマネジメントとして継続して取り組めるようにすべきであると考えている。」

 

今回のような、厚労省のご都合主義的なやり方はいかがなものかとは思うが、居宅介護支援事業所のケアマネが要支援の利用者についてもケアマネジメントを行えるようになることはいいことだと考えている。

ただし問題は二つある。一つはケアマネジメントの質を担保する観点から、「包括に“一定の関与”を求めていく」という一文である。現在どの程度の関与が行われるか明らかにされていないが、ケアマネジメントの質という視点から見て、現在の居宅介護支援事業所のそれが地域包括支援センターのケアマネジメントに劣っているとは決して思っていない。むしろ予測されるのは介護予防という名による様々な規制、監督を行うことになりはしないのかという心配である。地域包括はほかの仕事で忙しいから介護予防支援計画作成ができないというなら、細かいことは言わず居宅介護支援事業所のケアマネに任せればいいのである。

次の問題は、ケアマネジメントに対する報酬の問題である。現在要介護1・2の利用者に対する居宅介護支援は1076単位である。しかし、要支援の介護予防支援の場合438単位と半分にも満たない報酬しか支払はれないことになっている。これでは居宅介護支援事業所が指定を受けたとしても要支援の利用者を積極的に受け入れていこうということにはならないであろう。「居宅介護支援事業所が無理なく参画できるよう、報酬を引き上げるべき」と指摘する人は少なくないという報道もある。

 

いずれにしても、厚労省は年内に方針を正式決定する予定。包括による“一定の関与”のルールなど、細部はこれから詰めていく。介護予防支援の業務のあり方、報酬の水準なども、今後の論点となる見通しである。

97歳運転の車に女性はねられ死亡

2022-11-26
オススメNEW
97歳運転の車に女性はねられ死亡

11月19日夜、福島市で軽乗用車が歩行者をはねたあと信号待ちの車3台に衝突し、はねられた女性が死亡したほか5人がけがをした事故で、警察は、97歳のドライバーを過失運転致死の疑いで逮捕して、当時のいきさつを調べている。

報道によれば、97歳の容疑者は一人暮らしであったが、その地域では歌人として活躍しており、2年前の高齢者講習の検査においても認知症はなかったといわれている。親族により免許返納の話も行われていたというが、返納に至る前にこの事故となったのである。誰しもが驚いたのは97歳という年齢の運転ではないか。

過日、私自身も運転免許更新の高齢者講習に参加した、参加者が十数名いたがその中には「この人運転しても大丈夫かな?」と思わざるを得ない高齢者も散見された。しかし、教習所の教官は「運転ができないとこの地方では生活できないから・・・」といたって優しい対応をしていたのが印象的だったが、同時に「大丈夫なのかなあ」という不安も残った。

 

ケアマネジャーも利用者の免許返納をめぐって苦慮することは少なくない。返納して欲しいと考える家族とそれを拒否する高齢者というのがよくあるパターンである。都会に暮らす子供たちが親の車の運転を心配して、免許証の返納をすすめる。しかし公共交通の不便なこの地で暮らすお年寄りにとって、免許証の返納はたちまち生活に支障をきたすことになるから、おいそれと子供たちの説得に首を振ることはできないのである。だれも本人に返納の話をする人のいない認知症が進んできた一人暮らしの高齢者もいる。時には免許の返納をした後、利用者が意欲を失い、心身機能の低下をもたらしたというケースもある。

運転できないと困るのが通院と買い物である。だからと言って車に代わる公共交通機関が利用できるかというと、地方ではそうはいかない。1時間に一回のバスがあるかどうか、それにバス停まで歩いて行かねばならない。そしてバスのステップに乗れるだけの力が残っていない高齢者にとって、公共交通機関の利用は至難の業である。それでも人影のみえない空気バスは走り続けているのであるが。 

それではといって毎回の買い物にタクシーを利用できる高齢者はそんなにたくさんいるわけではない。それに地方ではタクシー運転手の高齢化、経営の悪化による廃業も相次いでいる。

地域で免許証を持っている人が助け合って高齢者の買い物や通院を支援したらいいという人もいるが、過疎と高齢化の進んだ地域ではそうした支え手に回るべき人すらその姿を消してしまっているのである。

「もうボツボツ免許の返納しなくては」と考えている高齢者は少なくない。でも、したくてもできない高齢者も多い。福島市の97歳の高齢者の事故が、明日この地で起きても不思議ではないと思う。

「史上最悪の介護保険改定」

2022-11-10
注目NEW
「史上最悪の介護保険改定」

 東京大学名誉教授の上野千鶴子さんや「高齢社会をよくする女性の会」の樋口恵子さんたちが今回の介護保険改定に反対して立ち上がって活動しているのが「史上最悪の介護保険改定を許さない会!」である。

 同会が掲げる今回の介護保険改定に反対する5項目は次のとおりである

1、自己負担を2割にするな
2、要介護1・2の訪問介護、通所介護を地域支援事業・総合事業に移すな
3、ケアプランを有料化するな
4、福祉用具の一部をレンタルから買い取りにするな
5、施設にロボットを導入して職員配置を減らすな

 

現在社会保障審議会介護保険部会で議論されているこれらの案がそのまま国会で法案として通るようなことがあれば、まさに「史上最悪の介護保険改定」となることは間違いないであろう。保険料だけ取っておきながら給付を受けられないといった状況を生み出す国家的な詐欺であり、20年余国民の介護を支えてきた制度を大幅に後退させ、再び介護を家族に押し付けるものである。

 

介護保険部会に示された資料には「給付と負担のバランスを図りつつ、保険料、公費及び利用者負担の適切な組み合わせにより、制度の持続可能性を高めていくことが重要な課題となっている」としている。これを平たく言えば、介護保険を維持していくためには給付を減らし利用者の負担を増やさなければやっていけません、ということである。果たして利用者の負担を強いること以外に介護保険の制度の持続はできないのであろうか。

介護保険の財源は40歳以上の人が支払う保険料と公費(国と市町村)によって賄われている。詳しい数字はここでは省略するが、国の負担を増やせば制度の持続は十分可能である。ところが、国は高齢化により社会保障に関する費用は年々増加しているからなるべくその費用を抑制したいと考えている。

しかし、一方で大企業優遇税制により巨額の利益を上げていながら法人税ゼロという大企業がある。こうした大企業への適正な法人税の課税をすること。また不要不急の事業によりゼネコンにもうけを作り出している公共事業を見直すこと。さらに軍事費を2倍にして現在の軍事費5・4兆円を11兆円にしようとしていること。こうした財源問題にメスを入れることにより国民、利用者に負担を強いることなく介護保険の制度を維持することは十分可能であると考えている。

介護保険が危ない

2022-10-27
チェック
―その4 要介護Ⅰ・Ⅱの利用者の通所介護、訪問介護を介護給付から地域支援事業へー

  財政制度審議会は「要介護Ⅰ・Ⅱへの訪問介護・通所介護についても地域支援事業への移行を検討」と提言している。

介護Ⅰ・Ⅱの人のヘルパーとデイサービスの利用を介護給付から外し、市町村が実施する地域支援事業に移していこうというのである。現在すでに要支援1・2の利用者ではこの制度が実施されている。そこではどのような実態となっているのであろうか。

地域支援事業は市町村が行う事業であるため、市町村により様々な規制や料金設定が行われる。介護保険では支給限度額がありその範囲内で利用者が自由にサービスを選択して利用できるのであるが、地域支援事業として行われるサービスは、要支援1の利用者のデイサービスは週1回まで、ヘルパーの訪問は週2回までといいった制限が設けられている。「被保険者の心身の状況、その置かれている環境等に応じて、被保険者の選択に基づき」サービスが提供されるという介護保険の原則が損なわれることになっている。さらに、ここでは訪問介護は資格を持ったヘルパーさんだけではなくボランティアによるサービスも可能ということになっている。当然介護保険の訪問介護より安い料金設定になっている。しかし現実にはそうしたボランティアの参入はうまくいっていない。結果として資格を持ったヘルパーが安い料金で働くことになっており、そうでなくても人材不足で困っている介護現場により負担を強いる構造になっている。

総合事業は、市町村が中心となって、地域の実情に応じて、住民等の多様な主体が参画し、多様なサービスを充実することで、地域の支え合い体制づくりを推進し、要支援者等に対する効果的かつ効率的な支援等を可能とすることを目指すもの、とされているが、現実にそこで起こっているのは、要支援1・2の利用者のサービス利用を制限し、介護現場に安上がりの仕事をおしつけ、介護に係る費用を抑制しているという現実である。

 要介護Ⅰ・Ⅱの利用者の訪問介護と通所介護が制限され、介護が必要な人にサービス提供ができなくなれば要介護状態の悪化と、家族の介護者の負担が一層大きくなることは容易に想像できる。介護給付を要介護3・4・5の重度者のみにすることは介護保険法第二条 の「介護保険は、被保険者の要介護状態又は要支援状態に関し、必要な保険給付を行うものとする。」「保険給付は、被保険者の心身の状況、その置かれている環境等に応じて、被保険者の選択に基づき、適切な保健医療サービス及び福祉サービスが、多様な事業者又は施設から、総合的かつ効率的に提供されるよう配慮して行われなければならない。」という介護保険の趣旨からしても許してはならないと考える。


 今後介護保険の改定をめぐっては、年内に部会で結論を得て、来年の通常国会で介護保険法の改定を目指すことになっている。介護保険の大改悪ともいうべき今回の改定に反対の声を上げていくことは、介護にかかわる専門職としてもその存在意義が問われることになるのではないか。

 

介護保険が危ない

2022-10-18
重要
―その3 福祉用具の見直しー

 介護保険では各種の福祉用具を貸与(レンタル)で利用することができる。この福祉用具貸与に関して、社会保障審議会介護保険部会に示された資料には次のように記載されている。

「ケアマネジャーは、介護保険サービスをケアプランに入れなければ報酬を受け取れないため、介護報酬算定のため、必要のない福祉用具貸与等によりプランを作成したケアマネジャーが一定数いることが確認されている。」「そこで、歩行補助杖などの廉価な福祉用具については、保険給付による貸与から販売に変えることで、毎月のケアプラン作成等のケアマネジメ ントの費用を不要とすることが考えられる」

 

「ケアマネジャーは、介護保険サービスをケアプランに入れなければ報酬を受け取れない」ということは事実である。そこで必要もない福祉用具を貸与しているケアマネジャーがいるかどうかは知らないが、上記の指摘は現場のケアマネジャーから見ると全く違った問題状況が見えてくる。

ケアマネジャーは介護保険サービスの調整、計画をしているだけではない。ケアマネジャーには様々な相談が寄せられる。身体の健康や医療に対する相談であることもある。施設に入りたいという話、生活の大変さや、時としては介護をめぐって家族の意見の対立の調整にあたらなければならないことさえある。こんな相談にのったり、必要な機関に繫いで問題の解決に尽力したりすることもある。こうした場合でも介護サービスが利用されないとこうしたケアマネジャーの働きは全くのタダ働きということになる。こうしたケアマネジャーの評価されない仕事(ただ働き)こそ問題とされなければならないと考える。そんなケアマネジャーが、何か介護保険サービスの一つでも利用してもらえれば、と思ったとしてもこれは決して不思議なことではない。

 

「廉価な福祉用具については、保険給付による貸与から販売に変える」ということに対しては以前の「ケアマネのつぶやき」※1でふれたのでここではそれを再録しておく。

「まず第一に、これらの福祉用具を販売とすることによる問題点を検討してみよう。貸与(レンタル)のいいところは身体状況の変化や使ってみて変更が可能であるという点にある。退院時に使っていた杖や歩行器が、その後のリハビリによる身体機能の改善で別のものに変更することができる。特に歩行器は実際に使ってみて調整をしながら必要に応じて別の歩行器に変えてみることがよくある。こうした変更は販売でいったん買ってしまうと難しくなる。さらに、貸与の場合は継続してケアマネジャーや福祉用具専門員が継続してかかわることとなるが、販売となるとこの継続的な関わりが難しくなる。例えば、サービス利用は歩行補助杖だけの場合でも、家族が介護しており家族への支援等ケアマネジャーは継続的にかかわることが必要なケースは多くある。 確かに高齢者の中では、貸与ではなく買い取りたいという意見を持つ人もいる。だとするなら、これらの福祉用具を利用する際に、貸与にするか、それとも販売にするか選択制にするということは考えられる。」

※1 2022-04-15ケアマネのつぶやき

TOPへ戻る