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ケアマネのつぶやき

ケアマネのつぶやき

ケアプランを描く

2021-11-02
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ケアプランを描く

  介護保険のサービスを利用するときは必ず必要とされるのがケアプランである。正式には居宅サービス計画書(在宅の場合)と言われている。介護認定を受け何らかのサービスを利用している人なら必ず見たことがあるはずである。

ケアプランとは何かということを教科書的に説明すると次のようになる。要介護者が、理想とする生活を実現するための解決すべき課題を見つけ出し、解決に向けた具体的な目標を立て、それに従い、どの様な支援を、どこのサービス提供機関から、いつ、どこで、どの程度利用するかを、利用者や介護者の意向と、ケアマネジャーを中心としたケアチームの専門的な知識も反映させ、これらを一覧表にしたものである。

やや難解な説明をしたが、この計画の原案を作成するのがケアマネジャーであり、利用者の思いや現状や今後の予測も含め、いかに適切に表現できるかということにケアマネジャーの能力が問われている。

 

今年3月31日、厚労省は「居宅サービス計画標準様式及び記載要綱」の改訂版を示した。

「記載要綱」はケアプランに何を書くべきかを示したものである。この改定された記載要綱はその一部に大変現場のケアマネシャーを悩ませる内容が含まれている。居宅サービス計画書(1)の「利用者及び家族の生活に対する意向」の欄が「利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果」という表題に変わった点である。そしてその説明として「その際、課題分析の結果として、『自立支援』に資するために解決しなければならない課題が把握できているか確認する。そのために、利用者の主訴や相談内容等を踏まえた利用者が持っている力や生活環境等の評価を含め利用者が抱える問題点を明らかにしていくこと。」

要約すると、利用者家族の意向ではなく、意向を踏まえた自立支援に向けた課題分析の結果を書くということと読める。では実際にこの欄に何を書くのかということになるとよくわからない。確かにケアプランのこの欄に、「デイサービスに行きたい」「家事の支援をしてほしい」といった利用者の要望(デマンド)のみを書いたものも散見される中で、あえて「課題分析の結果を書く」と言いたかったのかと想像はするが、それにしても今回の記載要綱の改定でこの欄にはいったい何をどのように書くように求めているのか、現場のケアマネジャーは頭を抱えることになる。

 全体として記載要綱を読んでいて思うのは、厚労省に小学生に教えるようにそんなにこまごまと示していただかなくても結構です。もっと現場のケアマネジャーを信用してくださいと言いたくなる。

 批判ばかりしていても仕方ないので私が考えるケアプランには何を書くべきかの基本を次のようにお示ししてみたい。

 

(1) わかりやすいケアプラン

ケアプランは「利用者が地域の中で尊厳ある自立した生活を続けるための利用者本人の計画であることを踏まえ」(記載要綱前文)利用者や家族にとって理解しやすいものでなければならないと考える。そのため、専門用語は使用しない。わかりやすさと適切な文章の表現が必要。

(2)自立支援のケアプラン

 自立支援とは介護保険の中ではよく使われる常套句になっているが、決して一様な自立があるわけではない。プランの中ではその利用者にとって重要な自立の中身が明らかにされなければならい。ある人にとってはADLの自立が当面の重要な課題になるだろうし、また別の人にとっては支援を得ながら自己決定して暮らしていくことが大切になる場合ある。ケアプランの中ではそれぞれの自立の課題と解決の道筋が示される必要がある。

同時にケアプラン作成の過程を通して利用者、家族の参加をうながし、利用者主体のケアプラン作成が重要となる。その過程では、ケアマネジャーからの情報提供、そして何よりも利用者の自己決定を保障した支援が不可欠である。

(3)根拠あるケアプラン

 ケアプランには説明責任があると考えている。アセスメントがおこなわれ、ニーズが確定され、その根拠の上にサービスが組み立てられることが必要となる。ここでは、アセスメントからケアプランのサービス内容までの一貫性・整合性が求められる。言葉を変えれば、サービス優先ではない、アセスメントにもとづくニーズ優先のケアプランということともいえる。また説明責任という点では第2表の「生活全般の解決すべき課題」にはその課題が必要となっている原因、背景もしっかり書く必要があると考える。

(4)その人らしいケアプラン

 その人らしい暮らしの姿が描かれたケアプラン、つまりケアプランの個別化が大切である。とはいえケアプランにそれを描き出すことは容易ではないと考えている。利用者への深い理解なしには困難である。したがって最初のプランからそれができるわけではないので、ケアプランの回を重ねることで個別性が描かれていくことになるのではないか。この課題はケアプラン全般について書かれるものではあるが、主に「利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果」の中で描き出すことになる。

 

たかがケアプラン、されどケアプランである。

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